腰痛に絶対的な信頼できる介入方法はない?運動と感覚の統合:腰痛を受講して。

京橋・桜ノ宮からアクセスが便利で、城東区・旭区に隣接する大阪市の鶴見区の今福鶴見にある、からだの悩みを『姿勢』から改善するfocoluluピラティス&パーソナルトレーニングスタジオ代表の石堂浩毅と申します。

 

ブログの更新の間隔が少し空きましたが…先日スタジオの休館日をいただき『腰痛』に関するセミナーを受講してきました。

 

 

講師はアメリカのアスレティックトレーナー(ATC)であり、AZCARE株式会社代表の近藤拓人さんです。

 

AZCAREのホームページはコチラ。

 

日本の正真正銘のトップトレーナーである近藤拓人さんの講義。

 

世界のヘルスケアにおける圧倒的なその情報量は何度でも受講したくなり、今回の内容ももちろん衝撃的なリサーチばかりでした。

 

しかし、どのようなカテゴリーのセミナーを受講していても共通して言えることは、今関わっているお客様が頭に思い浮かぶことです。

 

どんなに優れた情報を手にしたとしても、目の前にいるお客様が抱えているものに貢献することができなければ、ただ知識を知っているだけになってしまいます。

 

どのように現場レベルで活用し、どのように既存のアプローチ方法と組み合わせてお客様に介入していくのか。

 

今回も脳みそがオーバーヒートしながらの受講となりましたが、内容をまとめていきたいと思います。

 

腰痛に絶対的な改善方法はない

 

衝撃的な一言からセミナーがスタートしました。

 

腰痛で受診する患者のうちおよそ85%の症状は画像診断では原因が特定ができないと言われています。(これらは非特異的腰痛に分類されます)

 

そして、今や国民病とも言われるようになった腰痛ですが、日本では現在腰痛治療に掛かっている費用が60億円と言われているそうです。

 

 

セミナーでは腰痛改善の専門家で著名なマクギル博士のリサーチなども紹介されており、最近の腰痛のリサーチでは、特に慢性腰痛において腰椎の構造そのものに起因していないことが明らかにされてきました。

 

つまり、椎間板に変形や摩耗など腰椎の構造に何らかの所見が見られたとしても、一概に腰痛の症状と構造の問題の関連性を結びつけることは出来ないということです。

(急性期の場合では、画像診断における構造の問題に対して信頼性が高くなります)

 

セミナーでは腰痛の原因を構造的要因中枢神経性要因に分けてお話しされていました。

 

そもそも構造の問題とは…

・組織の損傷。(変形や炎症など)

・組織に対する過度なストレス。(圧迫や剪断ストレスなど)

・筋肉、関節内圧の上昇。(血流や栄養状態の影響など)

などが挙げられます。

 

従来の腰痛へのアプローチとして、これら構造の問題に対して徒手療法や物理療法、投薬などの介入が行われてきましたが、これらの介入だけでは不十分であり、痛みにはもっと複雑なシステムが関わっています。

 

それが中枢神経系の問題です。

 

 

中枢神経系とは私達脊椎動物において脳と脊髄にあたり、脳から送られた情報を運動器(筋肉や関節)に伝える役割などがあります。

 

例えば、目の前にある水の入ったペットボトルを認識し、水の入っている量とペットボトルの位置から重さと距離を予測して手を伸ばすという一連の動きの流れは、中枢神経系の働きを介したものとなります。

 

また、皮膚からの冷たい熱いという温度の感覚や痛いという刺激の感覚、そして筋肉や関節などの動きの調整、身体の位置情報を脳に届ける役割も担っています。(体性感覚とも言われます)

 

つまり、私達のからだは日々様々な刺激を受けて、中枢神経を介して情報のやり取りを行い、目的に応じた動きや姿勢を実現しています。

 

中枢神経系の問題が腰痛の症状と関わっている要因として…

 

・動きのエラーや感覚のズレを探知。(前帯状皮質の活性)

・過去の経験や記憶、恐怖や精神的不安。(動作への不安)

・中脳、脳幹、脊髄など痛みの刺激を抑制する働きを上回る侵害刺激の働き。

 

などが挙げられます。

 

少し専門的に書いていきましたが、具体的には腰痛の症状は腰椎など構造の問題とは別に、脳が身体の情報や与えられる刺激に対してどのように反応し適応しているのか、これら適応の結果として痛みや違和感という感覚にスイッチが入ります。

 

今抱えている腰痛が急性期なのか慢性期の症状か、また構造の問題の要因だけでなく中枢神経系の要因による影響が大きいのか、問診と評価を行った上で判断し適切な対処が大切になります。

 

腰痛改善における理想的なプログラム

 

痛みには構造的な要因だけでなく、中枢神経性の要因によって脳がどのように身体の情報に対して反応し痛みとして感知しているのか、複雑な仕組みが関わっています。

 

様々な可能性があるからこそ万人に効く絶対的な改善方法はなく、介入の手段として何かに特化した方法では根本的な改善からは遠ざかることも考えられます。

 

だからと言ってなんでも試してみるではなく、腰痛の症状を引き起こしているストレスについて考えなければなりません。

 

つまり、一辺倒な介入方法ではなく包括的なアプローチが大切になります。

 

腰痛介入において、マクギル博士は下記のように伝えられています。

・先ずは脊椎の負荷を軽減すること。

・筋持久力(筋力ではない)の改善。

・適切な安定性を保つための動きを確立させること。

 

特に、慢性期の腰痛では中枢神経性要因の影響を大きく受けることによって上記項目に対してもエラーが起こりやすくなります。

 

エラーの学習は進み、やがて痛みや違和感などの感覚として表出されていき、それが慢性化されるとからだは痛みを感じることに対して上達するようになります。

 

つまり、小さな刺激に対しても痛みや違和感として敏感に反応するようになってしまうのです。

 

 

腰痛改善のために、これらどの項目においても正しい姿勢と正しい動きを身につけていくことは大切な道筋のひとつだと言えます。

 

また、幹部への刺激による痛みの有無によって構造要因の問題なのか中枢神経性の問題なのか、背骨のどのエリアでの分節運動にエラーがあるのか、見極めも大切なポイントとなります。

 

 

ピラティスエクササイズにおいて、正しい姿勢と正しい動きという学習効果は大きく、エクササイズによって背骨の分節運動を促しエラーの修正を行うことから腰痛改善のためのプログラムのひとつとして有効的です。

 

また、腰部の安定性獲得のためにはトニックマッスルという筋肉が貢献し、これら筋肉の活性化を促すことも腰痛介入には大切なポイントとなります。

 

トニックマッスルとは…

 

・疲れにくい。

・低閾値運動に貢献。

・姿勢を安定させる働き。

・筋肉の緊張を感知するセンサー(筋紡錘)の密度が高い。

 

など、様々な性質を持っています。

 

トニックマッスルは深層に付着している筋肉です。

 

痛みを感じる部位に筋委縮は起こり、筋委縮は深層で起こるとも言われています。

 

 

トニックマッスルの活性化を促すために、高強度な運動が必要なわけではありません。

 

 

呼吸エクササイズや低強度で回数も少なく設定されたエクササイズなど、感覚としてはやや物足りないくらいのプログラムから徐々に強度を調整していけるよう展開していくことが理想的です。

 

また、運動強度の高低差は人によって感じ方も異なるため、個別性を持った評価と介入が大切になります。

 

本日のまとめ

 

今回のセミナー受講を通して、より多くの腰痛に関するリサーチを得らえたと同時に、腰痛以外の症状にも繋がる考え方や視点を広げることができました。

 

それぞれの症状の原因には様々な要因が存在し、実際の現場ではうまくいくケースといかないケースが混在しています。

 

だからこそ手段に捉われることなく、様々な可能性の中からより深い場所に手を届けられるようお客様の負担を最小限に寄り添っていきたいと考えています。

 

現状に決して満足せず、より多くのお客様の最善に寄り添えるようにこれからも探求を続けていきます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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focolulu(ホコルル)

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