『いい姿勢』を意識しすぎると腰痛が悪化する!?

京橋・桜ノ宮からアクセスが便利な、城東区・旭区に隣接する大阪市の鶴見区の今福鶴見にある、からだの悩みを『姿勢』から改善するfocoluluピラティス&パーソナルトレーニングスタジオ代表の石堂浩毅と申します。

 

今週から梅雨入りするという予報でしたが、今日は快晴で心地よい天気になりましたね。

 

この時期貴重な太陽をしっかり活用できるように、現在洗濯機をフル稼働しております(笑)

 

本日のブログは『いい姿勢』のための意識が腰痛の悪化を招いてしまう原因になるかもしれないという内容です。

 

 

なぜ腰痛の悪化を招いてしまうのか?

・『いい姿勢』を意識し過ぎてしまう。

 

姿勢が悪いと腰痛や肩こりの原因になることはなんとなく想像できるものですが、いい姿勢が腰痛を悪化させるとはいったいどういうことなのでしょう?

 

それは、『いい姿勢』を意識し過ぎることによって、その結果得られた姿勢が返って腰への負担を助長させている可能性があります。

 

例えば、猫背が気になっていて背中が丸くならないように普段から胸を張るように意識をしていたとします。

 

猫背と言えば背中が丸くなっていて頭が前のめりになり胸が落ち込んでしまう状態になるため、胸を張ることで背中が起き上がり頭も後ろに引くことができるので外見的には猫背から脱出しているように見えます。

 

しかし、猫背は結果的に背中が丸くなっているのであり、背中が丸くなる原因は他の要因が関係しているため胸を張るように意識し過ぎてしまうと代償的に腰を過剰に反ってしまうような姿勢になる傾向があります。

 

 

上記写真のように、腰が過剰に反っている姿勢のことを『軍隊姿勢』と言われており、腰を反り過ぎてしまうことで負担が掛かりやすく腰痛の悪化を招く原因に繋がってしまいます。

 

いい姿勢のための意識が極端に強くなりすぎると、かえって逆効果となりマイナスの学習になってしまうこともあります。

 

・意識の向け方。

 

いい姿勢を意識する時にどのような意識を向けていくのか、実は意識の向け方が大切なポイントになります。

 

背中が丸くならないための『胸を張る』という意識の向け方は、決して間違いではないのですが意識し過ぎることで腰が過剰に反ってしまう点で問題になります。

 

その理由は人間の身体の中心を通る背骨は頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)の3つのブロックで構成されていて、S字カーブの湾曲によってバランスを取っていることが関わっています。

『胸を張る』という意識では主に胸椎(きょうつい)という部位に対して意識を向けていくことになりますが、頸椎(けいつい)と腰椎(ようつい)はほとんどノーマークの状態になります。胸椎に特化した意識に連動して、腰が過剰に反ってしまう原因に繋がってしまいます。

 

また、人間の身体はS字のカーブの湾曲によって姿勢のバランスを保っていいます。

 

猫背の場合、胸椎の丸みが強調された姿勢になっていますがバランスを保つために頭は前方に突出して腰は反り気味になる傾向があるため、胸椎と同時に頸椎や腰椎に対しても意識を向けていくことが大切なポイントにまります。

 

しかし、同時に3つの部位に意識を向けることって実際は難しいですよね?

 

特定の部位に対して意識を向けるのではなく、背骨全体を捉えられる意識の向け方のポイントをお伝えしていきます。

 

『胸を張る』ではなく『背骨を伸ばす』

 

背骨全体を捉えるための意識の向け方として、『背骨を伸ばす』という意識がポイントになります。

 

背骨を伸ばすとは頭頂を天井に向かって伸ばしていくことで、特定の部位だけでなく背骨全体の配列をS字のカーブに近づけていく手助けとなります。

 

 

※胸を張る意識が強くなりすぎると左側の写真のように腰が過剰に反りやすくなってしまいます。背骨を伸ばす意識で立つと右側の写真のようにS字カーブの湾曲に近い状態で立ちやすくなります。また、腰が反る影響でお腹が前に出っ張るように見えるのも、背骨を伸ばす意識で立つと下腹部もスッキリ見えます。

 

実は、ピラティスのエクササイズを行う上でも背骨を伸ばす意識を活用していきます。この意識を『エロンゲーション』と言います。

 

 

エロンゲーションには伸び・伸長という意味があり、ピラティスでは身体の中心軸となる背骨を伸長させることによって背骨ひとつひとつの動きや配列を整えていくためにとても重要なポイントになります。

 

日常生活においてもエロンゲーションを意識することは、デスクワークが圧倒的に多く姿勢が崩れて背骨に影響が出やすい私達現代人にとって、姿勢を整えていくためにも有効的といえます。

 

しかし、1日中背骨を伸ばす意識を向け続けることもなかなか容易ではありません。

 

姿勢を良くしようと意識をしていても気が付くと背中が丸くなっていて、姿勢が悪くなっていたという経験はありませんか?

 

いい姿勢のための意識は長続きしないため、無意識の中に落とし込めることが理想的です。

 

そのための手段としてピラティスがあったり、段階に分けてとにかく意識を向け続けることから取り組んでみたり、選択肢は様々にあると考えています。

 

また、私達人間は常に動いています。身体を動かしていなくても呼吸をすることで筋肉や関節、内臓が動いています。

 

立っている時の姿勢や座っている時の姿勢に意識を向けていくことも大切ですが、人間が持っている様々な動きに対して制限を掛けない姿勢を目指していくことも大切です。

 

実際に猫背や反り腰姿勢であっても、肩こりや腰痛の症状が気にならないという方もいらっしゃいます。

 

見かけの姿勢だけでなく、動きの両側から姿勢を考えていくことも大切なポイントになります。

 

意識の向け方や捉え方を少し変えることで、私達の生活環境の中に存在する腰痛やその他の不調の原因を取り除く手助けに繋がっていきます。

 

本日のまとめ

 

いい姿勢を過剰に意識し過ぎることや意識の向け方が本来のバランスを崩し、腰痛の悪化を招く原因に繋がることがあります。

 

人間の身体は背骨のS字のカーブの湾曲によってバランスを保っており、姿勢を正すために特定の部位に対しての意識の向け方ではなく、背骨全体を捉えやすくするための意識の向け方のひとつとして『背骨を伸ばす』という意識を持つことがポイントになります。

 

しかし、気が付くと意識が抜けて姿勢悪くなっていることもあり、無意識に落とし込める状態が理想的ではあります。

 

そのための手段に姿勢と動きの両側からアプローチを行っていくピラティスや、先ずは意識を繰り返す段階をくり返して無意識の中に落とし込めるよう身体に学習させていくことも手段のひとつです。

 

私達の生活環境の中に存在する腰痛や肩こりなどの不調の原因を解消するために、意識の向け方を見直していくことも大切な要素になっていきます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

パーソナルトレーナー 石堂浩毅

 

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